縁の下(インフラ)の力もち建設部の仕事~第2弾~
社会人採用枠で入庁8年目(公務員は9年目)の櫻山です。それ以前は民間の建設会社で勤務していました。
建設部維持係のお仕事紹介第2弾
建設業界でも重要な課題となっている人材不足や働き方改革について、問題を解決するためICT(情報通信技術)を利用したICT施工の普及に取り組んでいます。
今回は、大雨や台風に備えて河川に堆積をした土砂を取り除く「しゅん渫(せつ)」工事と、「舗装修繕工事」におけるICTの活用事例をご紹介します。ぜひご覧ください!
しゅん渫工事におけるICT活用事例
従来の測量では、測点というあらかじめ設定をしたポイントに人が行って、高さや距離を測定していましたが、河川内や急峻な地形は難易度が高く正確な測量は大変でした。
そこでレーザーを用いて人が測点まで行かなくても正確に測量が出来るレーザースキャナーが登場しました。
上図が三次元レーザースキャナーで測定した点群データをモデリング化した図になります。
従来の測量では二次元の断面図で地形や土量を把握していましたが、三次元データとなり文字通り立体的に現場の状況が把握できるようになりました。
さらにこのデータを基にバックホウで掘削する深さを計算し、バックホウへデータを送ります。するとバックホウでは設定された深さ以上に掘削しないようになります。
従来は熟練のオペレーターが手動で行っていた深さ調整を、バックホウが設定された深さで自動で止まり深堀を防いでくれるので、誰でも簡単にバックホウの操作が出来るようになりました。
このように建設現場でもICTを利用した施工を行い、効率化や省力化が行われていて、新たにICTの得意な人材も求められています。
舗装補修工事におけるICT活用事例
起工測量時にレーザースキャナーにて現況を測量します。こちらも従来の測量では、数箇所の横断測量を行い、平均断面を計算し工事を実施していました。レーザースキャナーではレーザーによる面的な測量が出来るためより精度の高い測量が出来るようになりました。
レーザー測量を基に作成した縦断図です。舗装修繕工事では道路の平坦性向上も重要な要素となりますので、測量結果から切削厚を細かく設定して切削することでより平坦な道路にすることが出来ます。
大型切削機による切削状況です。
切削後はトータルステーション(距離と角度を同時に測量できる)で計画どおりに切削が出来ているか確認します。
確認後はアスファルトフィニッシャ―という機械でアスファルトを舗設します。
このように、ICT技術を利用することで、測量に関する手間を省略し、工事の仕上がりも向上することが出来るようになりました。
これから人材不足が懸念されている建設業界ですが、こうしたICT技術が急速に発達しています。今後益々その利用促進が期待されています。
最後に
建設業界でも働き方改革のため、ICT技術が取り込まれ進化しています。週休二日制度を導入する会社も増えて来ました。そのため、従来の手法を踏襲しつつより工期を短縮できる製品の活用や、長寿命化を目指した新技術も開発されています。
長野県の総合土木職の仕事は河川や道路の維持管理など皆さんの暮らしに直結する業務はもちろん、こうした建設業界の職場環境改善に関わる業務もあり、多岐にわたります。
責任も重大ですが、 その分大きな達成感も味わえます。
そんな縁の下から地域を支える総合土木職を将来の進路先の一つとしてぜひご検討ください!