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社会人経験者採用職員インタビュー

長野県では、社会人としての多様な経験・実績を県の施策推進に活かしていただくことを目的に、社会人経験者選考を行っています。
今回は、社会人経験者採用職員として入庁し活躍しているお二人から、前職を経て感じる職場環境や働き方について、色々と話を伺いました。


01 プロフィール

田村 えりか さん(2019年入庁(事務職)・長野県出身)
これまでのキャリア
前職:化粧品会社(東京都)で企画やブランディング等を担当
入庁後:広報・共創推進課広報係(2019年度~)、山岳高原観光課観光地域づくり係(2024年度~)

宮本 武彰 さん(2021年入庁(事務職)・千葉県出身)
これまでのキャリア
前職:他県自治体職員(農業職)やNPO団体(自治体の行政計画の策定支援等を担当)を経験
その後、長野県松本地域振興局において臨時的任用職員として勤務(2020年度)
入庁後:上伊那地域振興局企画振興課(2021年度~)、広報・共創推進課対話・共創推進係(2023年度~)

※職員の所属は2024年11月時点のものです
左から田村さん、宮本さん

02 現在担当している業務を教えてください

田村
現在は、山岳高原観光課で観光業の人材確保事業をメインに担当しています。長野県への移住を検討している方や学生の方に、観光地域での就業に繋がるよう、ホテルや交通事業者等の仕事を体験してもらうインターンシップや、宿泊事業者を対象にした業務の効率化や人材確保に向けたセミナーを開催しています。

宮本
広報・共創推進課に所属し、企業からいただいた連携事業の提案を担当部署に繋いでいく「官民連携推進」や、県庁内の部署を越えた仕事の繋ぎ役を担当しています。また、NPO法人の設立などに関わる認証事務も行っています。

03 転職のきっかけや長野県庁を選んだ理由は何でしたか?

田村
長野市出身で、高校卒業後はずっと県外で暮らしていましたが、東京で家庭を持ち、仕事に忙殺される中で、2人目の妊娠を機に生活を見直そうと考え始めました。まずは「産休期間だけ」という気持ちから、家族みんなで長野県に戻ってきたのがきっかけです。
長野での生活は、伸び伸び子育てができる環境で、親のサポートも受けられるということもあって、2人目の出産後に東京へ戻るという選択肢はすっかり消えました。「これもタイミング。転職してもいいかな」という決断に至り、候補にあがっていた行政の仕事から現在の県庁へと繋がりました。

宮本
大学では農学部で、農業や自然に関わる仕事を希望していたことから、最初は他県自治体に農業職として就職しました。いかに品質の良い農産物をたくさん作るかというのが大目標の仕事だったのですが、農業や自然を活かした社会づくりにもっと多様な角度から携わりたいという思いから、ご縁のあった知人がいる長野県への移住を兼ねて、転職を決意しました。
転職先の県内NPO団体では地域に関わるいろいろな経験をさせていただいたのですが、業務の範疇は計画策定までで、実行段階まで関われないという無力感もありました。もっと実行段階に関わりたいと思っていたところ、前職の農業職時代には経験できなかった農業政策の推進に関われる松本地域振興局での職員募集をたまたま見つけ、応募しました。
そこでの経験を踏まえて、やはり行政職として農業や自然に関わりたいなと実感し、正規職員として広域的に地域に関われる長野県に入庁しました。

04 長野県庁は「子育てしながら働く環境」としてはいかがですか?

田村
現在3人の子どもを育てていますが、長野県庁は子育てしながら働くことへの配慮や制度が整っているので有難いです。業務量も調整していただいていると思うので、今は定時で仕事を終えることができています。
転職活動当時を振り返っても、子どもの有無が採用のハードルにならないことが県職員の魅力と感じました。採用面接でも、子どもの有無より、これまでのキャリアについての質問が先であったのを覚えています。「小さい子どもがいるんです」と、初めて子育てについて話題にあがったのは面接も後半の段階でした。「母親」というフィルターがかかった状態ではなく「私自身」を評価してくれるところがいいなと今でも思います。

05 「住む場所としての長野県」はいかがですか?

宮本
まずは、長野県に来て良かったなというのが感想です。もともと自然が好きだったこともあって、山は近くて晴天率が高い、食べ物もおいしいし、空の青さや川の音など五感を刺激される機会が多いのがとてもうれしいです。
休日は山へ出掛けていて、ほぼ家にはいません(笑)。登山が好きで長野県に移住する方も多いと聞きますが、実際に来てからその魅力を実感しています。

田村
私は長野市出身ですが、大学や仕事の関係で東京や大阪での暮らしを経験しました。地元に戻ってきたからこその田舎の良さを実感しています。やっぱり自然が多くて目の前に山があることですね。
以前は公園に行くにも何をするのにもお金がかかることが多かったです。移動手段も電車しかなかったので、今は車で自由に動けるのでストレスも減りましたね。

06 それぞれ様々な経験を経て長野県に入庁いただいていますが、入庁後に感じた前職とのギャップは何かありましたか?

田村
まず、アーム式の電話台が伸びることに驚きました(笑)。昼休みは室内の電気が消えて、あまりしゃべってはいけないのかなという雰囲気を感じました。場所が変われば、環境も文化も違います。行政も民間も関係なく、それなりのギャップはあるのではないでしょうか。
職員の皆さんの人柄は優しいですね。新人にも丁寧に仕事を教えて下さり親切な対応だったことを覚えています。

宮本
働く環境としては、かつては私も他県職員としての経験があったので、大きなギャップはありませんでした。県庁は職員数も多く、異動で職員の入れ替わりも多いので、中途で入庁した人に対しての壁は無いと思います。
昼休みに関しては、たしかに会話が少ないなあと思いましたね(笑)。現場での仕事が多い技術職か事務職かという違いもあると思いますが、その点はギャップを感じました。

07 県職員として働く中で感じたことがあれば教えてください

宮本
長野県内の市町村は住民との距離が近く活気があるなと感じています。また、住民の方は行政への信頼感を持ってくれているので、業務をスムーズに進めやすいと感じています。
また県庁では、パソコンの仮想デスクトップを使用したり、マイクロソフト社のコミュニケーションツールTeams(チームズ)で情報共有したりできるところが先進的に感じています。

田村
私が働く中で感じたのは、思っていたより自分の意見を聞いてもらえることが良かった点です。ただ、作成した書類の決裁について、全員がチェックする「関所」の様な機会が多いのは、民間で働いていた私にとっては驚きでした。民間では、自分が企画した書類を直属の上司に通すだけだったので。チェック機能がうまく働けば、チームとしては素晴らしいことだと思います。どの組織もルールは必要ですしね。

宮本
そうですね。私もNPO団体に勤務していた時と比べると、スピード感には物足りなさを感じます。
その代わり、福利厚生や処遇は恵まれていると思います。「時間単位」で休暇を取得できる組織は民間ではまだ少ないのではないでしょうか。また、在宅勤務や時差勤務、クールビズなどだいぶ浸透していて、執務室のフリーアドレス化が進みつつあるのも魅力ですね。

08 業務の中で、前職の経験やスキルが活きた場面や県職員として感じているやりがいはありますか?

田村
初任地の広報・共創推進課では、民間時代に身につけた企画やデザイン力を活かすことができました。
県には配属先が多数ある中で、すべてでこれまでの経験を活かすということは難しい面もあるかもしれません。募集時点での人材の空き具合もあると思うので、タイミングもあるかもしれませんね。人には向き不向きがあると思うので、逆に自分の苦手なことを周囲に把握してもらうことで働きやすくなるのかもしれません。

宮本
前職で経験したパソコンスキルや調査経験は日常業務で活きていると感じています。また、やりがいを感じた場面としては、例えば地域の方が申請する「地域発 元気づくり支援金」事業では、せっかく良い取り組みをしていても、書類上で上手く伝えられていないことがあります。そんな時、ヒアリングなどを通じてちょっとアドバイスさせていただくことで、より魅力的な申請内容となり、無事補助金を受けられたような場合には、地域のために役に立てて良かったと思えることがありました。
自分が持っているスキルやビジョンが合うところで経験を活かすことができればいいですね。

09 これから長野県庁を希望する方に一言お願いします!

宮本
自己紹介する際に「公務員です」じゃなくて「〇〇屋です」と言えるように意識すると良いのではと思います。社会人経験者にとっては、それが自分のスキルや強みの棚卸に繋がると思いますし、県職員としてのキャリアプランも描きやすくなるのではないかと思います。
また、県庁でのキャリアプランは自分で作っていく意識を少し強めに持つと良いのではと思います。人数の多い組織なので思い通りにいかない配属となることもあると思いますが、入職までの経験や職場外での活動も踏まえて自分がやりたいことをストーリーとして伝えていけばけっこう応えてくれると思うし、少しでも希望に近い業務ができればこんなはずじゃなかった!と思うようなことは少なくなるのではないかと思います。

田村
例えば、旦那さんの転勤などで長野県で働く場所を検討している方や子育て中の方でも、長野県庁は働きやすい環境で良いのではないかと思います。仕事においても民間と公務員という差はそれほど感じません。成果を出すということでは、どちらも同じですからね。


ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
社会人経験者採用で入庁した職員の本音や活躍の様子が伝わったでしょうか?
今後もホームページやnoteを通じて、社会人経験者採用職員のインタビュー記事等を掲載していきますので、是非チェックしてみてください!

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