県税事務所のお仕事
長野県職員のHと申します。現在、県税事務所で法人課税に関わる業務を行っています。本記事では県税事務所での私の業務についてご紹介します。
なお、記事中には税金に関する専門用語が多く登場しますので、若干読みづらいかもしれませんが、ご了承ください。
♦ 県税事務所の業務
県税事務所は長野県各地域の合同庁舎にあります。なので、長野県内には10か所あります。
県税事務所では「県税」、つまり、県の税金に関わる業務を行っています。税金には、国に納税する「国税」、都道府県に納税する「都道府県税」、市町村に納税する「市町村税」があります。それぞれの主な税目は下図の通りです。
私は赤字で示した「都道府県民税・事業税」の中でも、法人に関わる「法人県民税・法人事業税・特別法人事業税」(以下「法人三税」、特別法人事業税は国税ですが都道府県に申告納税します)を担当しています。
県税事務所の業務は大きく3つに分けられます。私は、赤字で示した課税の業務を担当しています。なお、収入管理や収税の業務は全10所で行っていますが、課税業務は4所に集約し行っています。
県税事務所には、毎日多くの納税者の方が納税や申告、納税相談にいらっしゃいます。
♦ 法人課税の主な業務内容
私がこれまでに担当してきた主な業務内容について紹介します。大まかな内容は下図の通りです。具体的な内容は各項目をご覧ください。
なお、法人課税の業務は多岐に渡っており、以下の業務はその一部であることをご承知おきください。
届出・申請処理
法人を設立したり、法人名や住所など法人の情報を変更したりした場合は、県に届出書を提出します。その届出書の内容に基づき、県の税務システム上に法人情報の入力を行います。
また、法人から申告期限延長申請や減免申請があった場合は、その内容を確認し、申請の承認・不承認の決議を取ります。
申告書処理
法人三税は申告納付制度に基づく税金です。つまり、法人が自身で納税額を計算し、その上で納税額を記入した「申告書」を提出し納税します。その申告書を税務システム上に入力し、納税額を決定するのが申告書処理の主な内容です。
申告書処理の業務によって税額が確定するので、法人課税業務の中でも大変重要な業務です。
是認・更正決定処理
法人三税は法人からの申告に基づいて課税されます。そのため、その申告内容が適正かどうか判断する必要があります。
多くは法人税(国税)の申告に基づき法人三税の申告額が決まるので、法人税の申告内容を突き合わせつつ、法人三税の申告内容を確認します。その内容が適正である場合は「是認」という処理を行います。法人税の内容と異なる場合は、法人三税の税額を正しくする「更正」という処理を行います。
法人税で加算税を課税している場合や県に申告がない場合は、県で納税額を計算し法人に通知する「決定」という処理を行います。
そのほかの業務
そのほかに、月に一度の税務署調査やみなす申告処理などがあります。
みなす申告処理とは、予定申告(事業年度が半分過ぎた時点で行う申告)義務がある法人のうち、予定申告がなかった法人に対し、予定申告があったとみなして課税する処理です。
♦ スケジュール
月間・年間のスケジュール
私の業務は1か月単位のルーティンワークが主で、同じことを12回繰り返すと1年が過ぎるという感覚です。ちなみに1年目の1か月の動きは次のような感じでした。
1日のスケジュール
配属されて1年目のある日のスケジュールです。月の中旬くらいの少し忙しい時の一日です。
私の業務紹介は以上です。
法人課税を含め県税事務所の業務は「THE・事務仕事」といった感じですが、長野県財政の根幹を担う重要な業務であることを意識し仕事をしています。本記事が長野県職員を目指される方の参考になれば幸いです。